5月22日、日本の長期金利が約11年ぶりに1%台をつけました。日本にも金利のある世界が徐々に戻りつつあるということを印象付けるニュースでした。
ところで、この『長期金利』ってなんのことか知ってますか?
《長期金利の基準?》
長期金利とは、その名の通り、長期間の金利のことを指しています。対して、短期金利という言葉もあり、こちらの意味もまた、短期間の金利という意味になります。
そもそも金利とは、借入金額に対して、どのくらいの割合で利息をつけるのかという利率のことです。似たような言葉に、利息や利子といった言葉もありますが、こちらは、『率』ではなく借入金額に対して付いた分そのもののことを言っています。
長期金利は、長期間の借入に対する金利になりますが、今回話題となっているのは、日本政府が借りている『国債』の話です。つまり、長期間の日本政府にたいする貸付に対する金利が、約11年ぶりに1%台をつけたというわけです。
ところで、この長期金利でつかわれる『長期』の期間ですが、だいたい10年間のものを使うことが一般的です。今回のニュースで取り上げられた長期金利も、やはり『10年』物の国債の金利でした。
《固定金利と変動金利》
日本政府に限らず、お金を貸したり借りたりする際には、『固定金利』と『変動金利』の2つのタイプがあります。
固定金利は、借りている期間(債券の満期まで)ずっと金利が変わらないもので、変動金利は、市場に合わせて金利が変動するものになります。
今回の話しででてきた『長期金利』は、固定金利のものになるので、先ほどの話と合わせると。
「日本政府の『10年間』の『固定金利』の債券が、1%台の金利をつけている。」という意味になります。
《個人が日本政府にお金を貸す「個人向け国債」》
日本政府、つまりは国にお金を貸す、安心安全の金融商品の一つに、『個人向け国債』があります。
長期金利が上昇しているということは、この商品の金利も今後上昇していくことが期待されます。なぜなら個人向け国債の金利は、長期金利の利率が基準になっているからです。
個人向け国債には、3年物、5年物、10年物の3つのタイプがあり、3年物と5年物は『固定金利』、10年物は『変動金利』となっています。
ちなみに通常の国債への投資では、『10年固定利付債』などの国債を売買することになります。こちらの国債は、個人だけでなく、法人などで購入することも可能な国債となっています。
しかし、『個人向け国債』は、法人では購入することができず、個人でしか購入することができません。
実は個人向け国債は、個人のみの販売であるためか、最低利率の設定や中途換金が可能など、個人向け国債ならではの優遇措置が設けられています。
結果的に、個人向け国債は基本的に損することがないように設計されており、他の定期預金や生命保険などの金融商品よりも、安全で換金性が良く、さらに利回りも高くなっていることが多いようです。