資産運用をするのならインデックスファンド?
投資や資産運用で、インデックスファンドをお勧めしているのをよく見かけます。
投資信託の運用では、大きく分けると、インデックスファンドとアクティブファンドという2つのタイプがあります。
インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの株価指数に、投資信託のパフォーマンスが連動するように作られた投資信託です。多くの株価指数が、市場の趨勢を見るために作られているため、いわゆる市場の平均値というイメージで作られています。つまり、インデックスファンドとは、平均値を目指す運用をする投資信託という事になります。
対してアクティブファンドは、株価指数とは関係なく、ファンドマネージャーの腕でできる限りハイパフォーマンスを目指した運用を行っている投資信託だと言えます。
しかし、その実態としては、アクティブファンドの約8割がインデックスファンドに負けているということが言われています。
つまりは、投資信託選びの常識としては、平均値以下になる可能性の高いアクティブファンドよりも、機械的な運用を行う低コストなインデックスファンドを選んだ方が良いという事になってしまっているわけです。
このことについては、否定のしようがないと思っています。
アクティブ運用は悪くない?
しかし、アクティブファンドの運用成績が悪いからといって、アクティブに運用すること自体が悪いことにはならないとも思っています。
インデックスファンドがアクティブファンドよりも優秀なのには、いくつか理由がありますが、その理由の中でも特に大きいのが、「手数料の安さ」です。
つまり、アクティブファンドというのは、「運用にかかるコストが高すぎて、そのコストがインデックスファンドのパフォーマンスを超えるほどにはなっていない」というのが正しい認識なのではないかと思っています。
そこで思いついたのが、「インデックスファンドよりも手数料の安いアクティブファンド」があったらどうなるのだろうという考えです。
実際、多くのインデックスファンドにも欠点となる部分は多々あると思っています。
その一つが、分散のさせすぎです。
実は、個別銘柄のリスクがほとんどなくなり、市場リスクと同等となるための分散の数は、20銘柄程度の分散で十分だという研究結果があります。何千何百という銘柄に分散投資することに、どれだけの価値があるのだろうか、とても疑問に感じます。
投資のパフォーマンスを上げるなら、優秀な少数銘柄に焦点を当てた方が効果的なのではないだろうか。実際、成績優秀なファンド(投資信託)やウォーレン・バフェットなどの優秀な著名投資家たちは、インデックスファンドと比べたらかなり集中的なポートフォリオで運用をしています。
それと、インデックスファンドの多くで採用されている、「時価総額加重平均方式」で資産配分をするという点にも問題があると思っています。
特に市場が活性化している時期(バブルの頂点に近い時)というのは、時価総額の大きい銘柄ほど、過大な価格付けとなっていることが多く、時価総額加重平均方式だと、自然とその過大な価格付けとなっている資産を多く保有することになってしまいます。
この時価総額加重平均方式というのは、今人気のアメリカの株価指数S&P500や日本株の株価指数TOPIX、そして全世界株式インデックスなど、多くの株価指数で採用されている計算方式です。
この時価総額加重平均方式のポートフォリオは、バブルがはじけたときに、もっとも株価下落の影響が出やすい、過大な価格付けとなっている資産を多く保有しているわけですから、バブル崩壊の影響をもろに受ける可能性が高いのではないかと疑っています。
株式市場の研究の中には、過大な価格付けがされた銘柄群と、割安な価格付けがされた銘柄群でパフォーマンスを比較すると、過大な価格付けがされている銘柄の下落率の方が明らかに大きくなる傾向がある言っているものがあります。
他にも気になる点はいくつかありますが、特に気になるのは先の2点です。
結論から言えば、自分にとっての資産運用の最適解は、インデックスファンドではないと考えているわけです。
確かに、「投資に時間はかけられない。」、「考える話はいらないから結論だけが欲しい。」、「初心者だから、とりあえず始めやすいもの。」といった場合には、インデックスファンドをおすすめします。
しかし、「投資の初心者ではない」、「自分で考えながら投資をしていこうという気持ちがある」、「本気で資産を増やしてみたい。」といった、それ以外の人たちならば、インデックスファンドを超えたアクティブ運用を自分でやってみることが、本当の本音での最適解だと思っています。
言い方はちょっと悪いかもしれませんが、インデックスファンドとは、何もできない人が最後に残された選択肢なのではないかと思っています。
インデックスファンドを超えたアクティブ運用を自分の手でつくる。
今の時代、本当にありがたいことに、他人に頼らず自分自身で個人で運用する分には、とても低コストで株式投資ができるようになっています。
SBI証券や楽天証券など一部の証券会社では、もはや株式の売買手数料は無料になっています。口座の管理手数料などもないので、保有している間も手数料は無料です。
それどころか、保有している株式を証券会社に貸し出すことで金利がもらえる「貸株サービス」を利用するれば、手数料が無料であるどころか、運用益や配当金などに、さらに追加で貸株金利というリターンを受け取ることだってできてしまいます。
つまり、自分自身で個別銘柄を選んで運用する「マイファンド」を作れるという事は、運用コストが無料である以上のメリットが出せるという事になります。
ここまでマイファンドでの運用に恵まれている環境があるのであれば、マイファンドでインデックスファンドを超えることは、十分できるのではないかと考えているわけです。
インデックスのいい点と悪い点、アクティブのいい点と悪い点、それぞれの中間を目指すマイファンド運用。インデックスとアクティブの特徴を理解することで、なんとなくその形が見えてきます。
来年からは新NISAも始まります。自分にとって最適解となるであろう「マイファンド」を作るという考え方。インデックスファンドこそが最適だという最近の思考停止のような考え方に縛られることなく、マイファンドという選択肢を目指してみる価値は十分にあるのではないかと感じています。
実際に、私自身これまで、投資信託に頼ることなく、自分自身で投資信託をつくるように運用を行う、まさにマイファンド運用を行ってきた中で、自分自身で運用することのメリットやデメリットを多々経験してきました。
そして結果的に、それこそが資産運用の最適解となりうるという結論を、実体験として感じています。